駒場東邦中学高等学校
本研究では、3DCGと実物教材を利用した事前学習を行うことにより、林間学校などの課外活動において、地学的な事象を生徒自らが見出せるようにすることを目的とした。この目的を達成するために、以下の2点の活動を林間学校前に実施した。1点目は、岩石サンプルの肉眼識別能力を向上させる取り組みである。薄片と岩石サンプルを組み合わせた観察を行うことにより、岩石サンプルの識別能力の向上を計った。観察においては、100円ショップのライトとアクリルケース及び偏光シートを組み合わせた光源装置を開発し、肉眼でも薄片観察を行えるようにした。2点目は、3DCGを用いたAR教材を利用することにより、地学的事象を事前に学習させる取り組みである。林間学校で訪問する鎌原観音堂の3DCGを作成し、土石なだれ発生時の地表面を3Dオブジェクトで追加した。さらに、矢印や文字などを追加することにより、直感的に対象を理解できるようにした。作成した3DCGは、ARでの表示も可能な形式で準備し、実寸大での大きさが分かるような形式で授業を実施した。林間学校実施後に行ったアンケートにおいては、ほとんどの生徒が3DCGなどを利用した事前学習に対して、現地観察における有用性を認識していた。今後は生徒の記述の解析を行いつつ、希望者を対象とした地層観察においても同様な効果が得られるのか、検証を行う予定である。
学校名 | 駒場東邦中学高等学校 |
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テーマ | 林間学校を利用した地学野外学習ー3DCG教材と実物教材を組み合わせた学習プログラムの開発ー |
都道府県 | 東京都 |
学校ホームページ | https://www.komabajh.toho-u.ac.jp/index.html |