長野市立南部小学校

 理科における実際の野外観察では,位置関係を認識しての観察・記録を行う難しさと施設・設備の不備が指摘されている。天体は3次元空間内に存在しているにも関わらず,学校教育においては,天体の高度を評価する際,2次元の紙面上で表現させて評価している。3次元のイメージを2次元に変換することが困難な学習者にとって,2次元の紙面上での表現は天体の高度の認識を困難にさせる原因の1つと言える。

 そこで,本研究では,子どもが高度を測定できる高度計をプログラミングして制作し,透明ビニール傘に天体と高度を記録する野外観察を実施した。

 高度計として11台のmicro:bit(マイクロビット)を使用する。高度計は,目線からの迎え角をおおよそ測定して高度を把握する野外観察の方が容易なため,高度を表示する高度計を制作した。さらに,高度計が野外観察に活用できるような携帯電話の自動り棒を設置台とすることで,子どもが実際の野外観察を意識した制作ができた。測定方法は,半円内の天体の高度を把握して記録した。方位を確認後,micro:bitを天体にかざして高度を測定し,透明ビニール傘に高度と天体を記録した。

 高度計による天体の高度測定が実際の野外観察に効果的に働き,子どもの天体の高度をふまえた天体の位置把握を促進し,月の日周運動を明確に捉え,理解を促すことができた。

学校名 長野市立南部小学校
テーマ

理科天体学習におけるSTEM教育を指向したものづくり

-高度・方位センサーと天体ガイドの制作を通して-

都道府県

長野県

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