毛呂山町立毛呂山中学校
土壌細菌から考える環境教育についての学習指導
はじめに
本校の所在地は、奥武蔵の山々の麓に広がる人口約3万人ほどの町である。そこで、豊富な自然を活かして、「自然の事物・現象にかかわり理科の見方・考え方を働かせること」、「自然の事物・現象を科学的に探究するための関心を高めること」を育成することを目標とした。本研究のテーマは、中学校3学年の第1章【自然界のつり合い】から、『自然と人間』の分野から設定した。本単元では、生態系の中で関わる土壌微生物が分解者として取り上げられている。本研究では、さらに分解者として働く土壌細菌への理解を深めるため、人や車が多く行き来する場所とそうでない場所では、土壌細菌が変わるのかを実験によって比較することにした。
研究内容
本校周辺のいくつかの地点の土を採取し、その中に生息する微生物を観察し、どのような違いや共通点があるのかを調べることで、周辺環境の違いがその土中に生息する微生物の生育に影響するかを調べた。
成果とその訴求点
本研究では、学校周辺の4地点の土壌から表面の土を採取し、水で1000倍に希釈したものを寒天培地に撒き、生じたコロニーを比較した。その結果、校庭の土と県道30号線周辺の土からはコロニーが観察できず、学校近くの神社の土や校内の池周辺の土からは類似した菌のコロニーが観察できた。生徒たちはこの結果から、「県道は人工的に整えられた環境であり、車からの排気ガス等も多いことで、微生物が生育しにくいのではないか」、「神社や池周辺は植物が多いため、微生物が生育しやすく、似たようなコロニーが見られたのではないか」というような考察をすることができた。財団からの助成金を活用して購入した滅菌器と恒温器を用いることで、丁寧な滅菌操作から十分な培養までを円滑に行うことができたことが、本研究を実践することにつながった。
学校名 |
毛呂山町立毛呂山中学校 |
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テーマ |
土壌細菌から考える環境教育についての学習指導 |
都道府県 |
埼玉県 |
学校ホームページ | https://www.town.moroyama.saitama.jp/soshikikarasagasu/1_4/3/3120.html |