広島大学附属三原小学校
本研究では、自ら問題を見いだし、理科の見方・考え方を働かせながら問題を解決しようとする子供を目指している。そのためには、子供が自然事象に対して豊かな感性で関わることが大切だと考える。そこで、自然事象に対して感性を働かせる場面を授業展開に取り入れるようにした。
令和6年6~7月に行った第4学年「空気と水の性質」の実践では、単元の導入において、空気と水を入れたビニール袋とペットボトルに触れることで、子供は閉じ込めた空気と水の感じをとらえていった。子供のとらえた感じでは、空気は、「軽い」「圧縮する」「元に戻ろうとする」「(たたくと)はねる」で、水は、「重い」「圧縮できない」「(たたいても)あまりはねない」だったが、硬さ・柔らかさという点で子供の意見が分かれた。硬さ・柔らかさの感じが人によって異なった原因として、子供は、ビニール袋とペットボトルという入れ物の違い、ペットボトルの種類・形状の違いを挙げた。そして、硬さ・柔らかさは、空気や水ではなく、入れ物によったと推論した。
次時では、こうした子供の意見から同じ入れ物に空気と水を入れて調べることにした。入れ物は、一方向からのみ押すことができ、目盛りで変化が分かりやすい注射器を用いることにした。子供は、空気と水を注射器に入れ、ピストンを圧すことで、空気と水の硬さ・柔らかさを調べていった。注射器に同体積の水と空気を入れ、ピストンを圧したときに、ある子供は、「水は圧してもピストンが動かなかったが、空気は9目盛りぐらい動いた」とした。こうした結果を基に、「水は圧せないが、空気の体積は圧すと小さくなることから、空気より水の方が硬い、水より空気の方が柔らかい」と結論付けた。また、空気は圧すとだんだん硬くなり、水のように圧せなくなることや空気を圧すとばねのように元に戻ろうとすることを発見した。
このように子供は、お互いに感じ取ったこと話し合う中で、感じ方の違いを共有し、そこから問題を見いだし、問題解決を図っていくという学びを行っていくことができた。
学校名 |
広島大学附属三原小学校 |
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テーマ |
自然事象に豊かな感性で関わり、問題解決に挑む子どもの育成 |
都道府県 |
広島県 |
学校ホームページ | https://www.hiroshima-u.ac.jp/fu_mihara |