広島大学附属三原小学校
本研究では,学んだことを生活や後の学習の場面で生かして活用したり,既有の知識・経験と学んだことを結びつけて新たなものを作り出したりしていくことができる子供を目指している。
令和5年8~10月に行った第6学年「月と太陽」の実践では,子供が第4学年「月と星」の学びと関連付けながら実際の月の様子を観察し,モデルやインターネットを活用して,月の形の見え方は太陽と月の位置関係によることをとらえていった。
月は時刻によって見える位置が変わること,日によって月の見え方が変わることは,第4学年の既習内容である。また,月が地球の周りを回っていること,それに伴って月の見え方が変わることは全員が知っていた。そこで,発泡スチロール球をエナメル線で角材に吊るした自作教材(写真参照)を用いて,モデル実験を行い,月の動きと見え方の関係を確認させた。子供は,知識としては知っているものの,実際に見え方が変わっていく姿を目の当たりにして,一度ではなく,何度も試していた。ここで,月が1日に,1時間にどのくらい動くのか計算させ,実際に月を観察して調べる課題を出した。
授業では,その時期にビデオや写真で撮影した月の様子を提示することで,動きを確認した。その上で,①白い月はいつ見えるだろうか,②太陽と月の間に地球があるのに満月が見えるのはなぜだろうかと問題を出した。また,ちょうど「スーパームーン」が見られた日があったことから,③なぜスーパームーン(大きな満月)が見られるのだろうかという問題を出した。①については,日が沈んでいない時に出ている月であることから,月と太陽の位置関係から予想し,ビデオや写真撮影したもので確認した。朝方,西の空に見えた時に実際に見た子供もいた。②③については,子供はインターネットを使って,太陽や月と地球の距離や角度を調べていた。そうすることで,子供は,②について,太陽と地球に対して月の公転軌道が約5度傾いていることや地球と月が約38万km離れていることを用いて説明した。③については,月の公転軌道が円ではなく,楕円であることを見つけ,地球と月との距離が変わるため,満月の見える大きさが変わり,月が地球に近くなったときスーパームーンになるということを発見した。
このように学んだことを生活や後の学習の場面で生かせるよう,既有の知識・経験と結びつけてとらえさせ,そこに新たな視点を加えることで,子供は,多面的・総合的に判断して,これまでの考えを更新する学びを行った。
学校名 | 広島大学附属三原小学校 |
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テーマ | 多面的・総合的な判断を促す学習指導の開発 |
都道府県 | 広島県 |
学校ホームページ | https://www.hiroshima-u.ac.jp/fu_mihara |