川崎市立川崎高等学校附属中学校
本校の理科研究会では「学びに向かう力,人間性等」の内実を「自己調整」の側面より明らかとする研究を行ってきました。
(1)理科授業における自己調整の成立過程について
学習科学の知見を援用し,理科授業の中で表出する,子どもの自己調整の具体的な姿を同定しました。
例えば,第2学年「炭酸水素ナトリウムの熱分解」では,ベーキングパウダーを入れたホットケーキと入れないものを用意し,加熱したところを見て,子どもたちは,「なぜ,ベーキングパウダーの有無によって膨らみ方が異なるのかどうか」について疑問をもち,探究を始めました。「課題価値(自己調整の要素)」を自ら捉えながら,ベーキングパウダーの成分に着目したり,それらを加熱したらどのような物質ができるのかどうか「課題分析(自己調整の要素)」を行ったりすることが探究初期に見られる自己調整です。
本研究では,24個の自己調整の要素を抽出し,理科における探究と自己調整を関連付けた理論モデルを構築しました。
(2)理科授業における自己調整を評価するルーブリックの開発
理科における自己調整の内実を明らかとしたうえで,それを評価するルーブリックの開発に着手しました。具体的には,探究の初期,中期,後期のそれぞれにおいて,低(支援が必要),中(おおむね満足できる),高(十分に満足できる)の評価を措定しました。それは27の項目からなる,ミクロな視点で自己調整を形成的にアセスメントできる指標となりました。
学校名 |
川崎市立川崎高等学校附属中学校 |
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テーマ |
学びに向かう力,人間性等を涵養する理科授業デザインに関する研究 ~デジタルによる学習を方策として~ |
都道府県 |
神奈川県 |
学校ホームページ | https://www.kaw-s.ed.jp/jh-school/ |