「未来のリーダー教室」アルムナイ実行委員たちが「中高生のための伝える力講座」を開催
未来のリーダー教室の導入編・展開編の修了者たちからなるアルムナイ実行委員たちが、活動を本格化させています。2024年12月1日(日)には、東京の渋谷ステーションコンファレンスで「中高生のための伝える力講座」を企画・開催しました。メンバーたちは、学校や学年を越えて力を結集。20人以上の中高生の参加者を集め、二人の講師を招き、充実の講座を実現させました。
アルムナイ実行委員5人が10か月をかけて講座を企画
「中高生のための伝える力講座」は、日産財団「未来のリーダー教室」修了者であるアルムナイ実行委員の5人が約10か月間、20回ほどのミーティングを重ねて企画したもの。それぞれが忙しい日々を過ごすなか、企画書づくり、議事録の共有、そして講師への登壇依頼などをしてきました。
会場に集まり、講座の開始を待つ参加者たち
当日は、メンバー5人の呼びかけに応じた中高生19人が集まりました。会場への案内を髙橋々愛さん(中学3年)が担います。13時になり、浅生蓮さん(高校3年)と二橋直太朗さん(中学3年)の司会で講座がスタート。髙橋春帆さん(高校1年)が「学校では、なにをどう伝えるか具体的に学ぶ場がなかなかありません。そうしたことを学べたらと、この講座を企画しました」とねらいを伝えました。
企画のねらいを伝える髙橋春帆さん。左は司会の浅生蓮さんと二橋直太朗さん
参加者たちはまず、アイスブレークとして、各テーブルで自己紹介をします。つづいて、アクティビティとして「グループ内で共通点を探そう」。須藤礼名さん(大学1年)が進行役をつとめました。
アイスブレークの「グループ内で共通点を探そう」。須藤礼名さんの進行
「超実践! 課題解決の本質&伝え方の極意」
参加者たちがかなりうち解けたところで、いよいよ講師お二人による講演に移ります。メンバーの高橋春帆さんがともに面識をもっており、「伝える力を学ぶ」という趣旨に相応しい方々ということで登壇依頼し、快諾を得られたといいます。
前半は、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部学部長の伊藤羊一先生による「超実践! 課題解決の本質&伝え方の極意」という題の講演です。
伊藤羊一先生。武蔵野大学アントレプレナーシップ学部学部長。Musashino Valley代表。LINEヤフーで社内リーダー開発なども手がける。著書に67万部のベストセラー『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』など多数
伊藤先生から「私たちは何のために『伝える』のでしょう」といった根本的な問いがあり、参加者は「自分の意思を伝えるため」などと答えます。その後、伊藤先生から「伝えるのは、聞き手に動いてもらうため」という考えを聞きました。
伊藤先生と参加者とのやりとり
さらに、AIDMA(Attention・Interest・Desire・Memory・Action)という、人が行動するまでの心理の順番に沿ったモデルが示されます。参加者たちは興味津々にそれぞれのポイントなどを聞いていました。
「主張」と「根拠」を考えて「あなたの欲しいもの」を伝える
「知っているとできるは全然違う! プレゼン道場」
後半は、「知っているとできるは全然違う! プレゼン道場」という演題で、BYD代表取締役の井上創太先生が登壇しました。
井上創太先生。株式会社BYD代表取締役。情報経営イノベーション専門職大学客員教授。「夢中な人で溢れる社会の実現」を目指して活動。グローバル教育研究所の認定講師として、全国の学校を対象にキャリア教育やアントレプレナーシップの授業などを実施
参加者たちは、井上先生からは「Don’t be shy, Let’s try! どんなことでも『やってみる』を大切に」といったメッセージを受けとります。
そして、プレゼンテーションの要点として、KISS(Keep It Short Simple)などの考えが井上先生から示されたうえで、講座は「やってみる」の実践として「プレゼン道場」へ。2人1組で「口紅」「手袋」「ヘッドホン」などを相手にセールスしたり、「日本食」「写真」「音楽」などのことばについて自由描写したりといったプレゼンテーションの実践も重ねていきました。
2人1組での「プレゼンテーション道場」
さらに、井上先生からの「きょう学んだことのなかでもっとも印象的だったことはなんですか」といった即興のお題に、2人が1分ずつプレゼンテーションをし、どちらがよかったかをほかの参加者に挙手してもらう「プレゼンテーションリング」にもチャレンジしました。
優れたプレゼンテーションをした参加者に、井上先生ご持参の「BYD × SDGs おからキーマカレー」が贈られた
多くの参加者にとって、どちらの講座の内容も初めて聞いたり、のぞんだりするものが多かったようです。「伝える力」について、新鮮な刺激を受けながら、楽しんでいるようすでした。
参加者・伊藤先生・井上先生・アルムナイ実行委員での集合写真
0を1に。アルムナイ活動がさらに広がっていくことへの期待
終了後、今回の講座を企画してきた5人に、感想を聞きました。
「学校や年代のちがう人たちでイチからイベントを企画するのは初めての経験でしたが、みんなで協力し、ひとつのものをつくり上げられて、ほっとしているとともに嬉しくもあります」(須藤さん)
「講座の案内などのデザインというやったことのない役割に挑みました。先生たちとの連絡も、やってみたらなんとかなりました。ここまでできるのかなと思っていたところまでできたのは、私にはおもしろい体験でした」(髙橋春帆さん)
「未来のリーダー教室を通じて、学校も学年もちがう人と知りあえて、一つの企画に向けて協力できたのはよい体験でした。学校で過ごしていても経験できないことですし、さらに上手くいってよかったなと思います」(髙橋凜々愛さん)
「企画担当として、自分がブレないことと、つねに企画のいちばんの理解者であることを心がけました。最初のアルムナイメンバーの活動として、ゼロをイチにすることをやり遂げ、大きな経験になりました」(浅生さん)
「こうしたイベントがどう企画されているのか、ふだんは知れないことですが、参加して、こんな感じなのだと知ることができて、自分にとってよい経験になりました。集まり自体がおもしろく、学びも多くありました」(二橋さん)
「中高生のための伝える力講座」を企画したアルムナイ実行委員たち。中央は本イベントを担当した日産財団 中島
アルムナイ実行委員のみなさん、グッドジョブでした! 講師の伊藤先生・井上先生、そして参加者のみなさん、楽しくも実践的な講座を取材させていただき、ありがとうございました。
日産財団は「未来のリーダー教室」を展開するとともに、修了者たちの活動や、アルムナイメンバーの企画実行を積極的に支援してまいります。